チェルノブイリ原発事故後の健康被害の記事
■ チェルノブイリ記事切り抜き帖
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/etc/CherNewsJapan.html
こちらのページから、健康被害に関する記事だけを集めてみました。日本で同じようにならない為にも、なんかしらの事前の回避策は無いかと思って並べてみました。
チェルノブイリ事故発生 1986年4月26日
事故があった1年目
<チェルノブイリ事故から20日後>
■ 86/05/15 朝日 「市民の多くが脱毛」
チェルノブイリ北方130kmのゴメリ市に住む女性は、モスクワの友人へのへの電話で、この数日間で頭髪が全部抜け落ちたと告げた。この女性によると、5歳の自分の子供をはじめ、人口30万人のゴメリ市民の多くの人も同じ目に遭ったという。
<チェルノブイリ事故から2〜4ヶ月後 /
アメリカ>
■ 87/09/29 毎日 「チェルノブイリ事故後、米の乳児死亡率上昇」
チェルノブイリ事故による放射能が米国に降下した昨年6月〜8月の3カ月間、雨量の多い米西海岸や一部東部の各地で、乳児を中心に死亡率が異常に上昇していたことが、スタングラス・ピッツバーグ大名誉教授らの分析調査で明らかとなった。チェルノブイリの放射能が米国に到着したのは昨年5、6月頃で、その直後の6月の乳児死亡率が前年同月比で約15%も上昇。7、8月も同7?4%高くなっていた。「チェルノブイリによる放射能汚染に起因しているとしか考えられない」と結論つけている。
<1年後>
なし
<2年後>
<チェルノブイリ事故から2年6ヶ月後>
■ 88/11/03 読売新聞:モスクワ=記者 ウクライナ共和国南西部のチェルノフツウィ市(人口20万)で、子供の頭髪が抜け落ちる奇病が流行、放射能後遺症では、と市民の間に疑惑が広がっている。神経疾患をともなう脱毛症で先月までに子供82人が入院、現在も連日2〜3人の入院が続いている。地元保健当局は、放射能とは関係がないと否定。
<チェルノブイリ事故から2年9ヶ月後>
■ 89/02/16 北海道新聞:モスクワ=共同 15日発売のモスクワ・ニュースによると、ウクライナ共和国で事故後家畜の奇形が急増しているほか、甲状腺異常の児童が増えている。チェリノブイリ西50〜90kmのジトミール州にあるペトロフ・コルホーズでは、事故後1年間に奇形の豚が64頭、1988年は9月までに76頭生まれた。事故前までは3頭生まれただけだった。同州ナロジチ地区では1988年秋、0.2mR/hrのガンマ線でキエフ(0.014mr/hr)の約14倍。セシウム137の蓄積は、住民の4%で、5〜10マイクロキュリーに達している。
[上の記事の詳細] ⇒ 線量計を使って調べたとき、ガンマ線のレベルが毎時0.2ミリレントゲン【毎時2マイクロ・シーベルト】以下の所は1ヶ所もなく、ストルツカヤが隣人と立ち話をしていた門のところは毎時2ミリレントゲン【毎時20マイクロ・シーベルト】を超えていた。例えばキエフ市の自然のガンマ線バックグラウンドのレベルは毎時0.014ミリレントゲン【毎時0.14マイクロ・シーベルト】である。 http://kohno.at.webry.info/201202/article_42.html
<チェルノブイリ事故から2年11ヶ月後>
■ 89/04/04 朝日新聞:広河隆一 3月中旬チェリノブイリ訪問。原発南25kmの所で農婦が農作業中、その村では100人ほどが疎開先から勝手に帰村。ナロジチ地区ペトロフスキー・コルホーズの議長によると、目に異常のある豚が昨年30頭生まれた、事故前は年に1,2頭だった。ナロジチ病院の看護婦によるとは、子供のうち2人に1人は甲状腺肥大が見られる。
<3年後>
<チェルノブイリ事故から3年1ヶ月後>
■ 89/07/01 北海道新聞:モスクワ=時事 30日発売のニジェーリャによると、白ロシア共和国モギレフ州で児童の貧血や視力低下、血液成分異常が発生している。同州の病院長ペニコフスキー氏が明らかにしたもので、このほか運動機能障害、無筋力症、ビタミン欠乏症、免疫異常が認められる。同州のレオノフ党第1書記によると、事故から3年たっても、学者の予測に反して、放射能の値は低下していない。同州の1430平方kmが汚染されている。
<チェルノブイリ事故から3年3ヶ月後>
■ 89/08/01 河北新聞:モスクワ=時事 チェリノブイリ北方50〜60kmのロシア共和国ホイニキ市で、児童の間に貧血やのどの炎症が広がっている。30日付イズベスチャが同市600人の署名した手紙を掲載したもの。「放射能の影響はない」とした当局や学者の誤りを指摘し、過去3年間に地区の党第1書記ら幹部や大半の医師が住民を残し脱出したと非難。
<チェルノブイリ事故から3年3ヶ月後>
■ 89/08/08 サンケイ新聞:モスクワ=記者 ウクライナの反体制ジャーナリストで人民代議員のヤロシンスカヤ女史は、ネジェーリャ最新号で、ウクライナ共和国のチェリノブイリ西方12の村で住民が高濃度の汚染により危険にさらされている、と当局を批判。女史が入手した公式データによると、ナロードニーチェスキー地区の12の村で70年間に受ける被曝線量は、35.5〜113レムとされ、ソ連自身の基準35レムを越えている。子供たちに甲状腺などのどの疾患や貧血、のど、胃、食道などのガンが増大。牧草地で160Ci/平方kmの汚染が見つかっている。ウクライナ共和国当局は、いかなるデータも公開しないようかん口令。
<チェルノブイリ事故から3年3ヶ月後>
■ 89/08/10 北海道新聞:モスクワ=記者 9日のソビエツカヤ・ロシアによると、ロシア連邦共和国ブリャンスク州のクラスナゴールスキー地区では、きわめて汚染の高い12の村に約3千人が生活。ザボーリャ村のコルホーズ議長によると、「私の家のガンマ線量は室内許容値の10倍以上」。同村の野菜畑の大部分でセシウム汚染は100Ci/平方km以上。86年に同地区で甲状腺ガンはなかったが、この2年間に15人。慢性的気管支炎は、3年前の千人当り94人から、今年前半は175人。結核症状の認められた家畜は、87年46頭、88年139頭、今年前半は337頭に急増。これらはすべて白血病によるもの。
<チェルノブイリ事故から3年5ヶ月後>
■ 89/10/02 毎日新聞:モスクワ=共同 30日の「ソビエト文化」は、白ロシア共和国で奇形児の出産やガン患者が急増していると報道。ゴメリ州ホイニキ地区では、今年1月から6月の間に13人の奇形児。昨年の奇形児出産は3件。奇形児の出生率は事故前の85年に比べ3〜4倍、死産も増加。モギレフ州スラブゴロド地区では、85年に11人しかいなかったガン患者が、昨年は70人に急増。今年1〜6月は新たに34人。同地区の人口は過去2、3年の間に約20%減少しており、ガン発生率の上昇は明らか。ゴメリ州などでもこうした傾向。スラブゴルド地区では動物の奇形出産も急増。
<チェルノブイリ事故から3年5ヶ月後>
■ 89/10/12 毎日新聞:モスクワ=共同 11日発売のモスクワ・ニュースは、白ロシア共和国で染色体異常や免疫異常などの影響が確認され、とくに汚染地域では敗血症、子供の甲状腺肥大などの病気が増えている、と報道。「大きなウソ」と題された記事は、作家アダモビッチなど4人の座談会をまとめたもの。またソ連最高会議発電・核安全問題小委員会のシェルバク委員長は、事故で放出された放射能の量は、公式に発表された5千万キュリーではなく、10億キュリーと明らかにし、64億キュリーと推定する専門家もいると述べた。ウクライナ、ナロジチ地区のブジコ第1書記は、同地区では甲状腺肥大などのため健康な子供は事実上いないと強調。
<チェルノブイリ事故から3年6ヶ月後>
■ 89/10/21 毎日新聞:モスクワ=共同 18日付イズベスチアの投書で、労働者レーピン氏は「ともに放射能除去を行った若者たちが急死している。死者の数は増え続けている」と告発。事故直後動員されたイグナチェフさんは1カ月後に倒れ、翌年には歯が22本抜け、脱毛、頭痛、ぜんそく、胃の痛みなどを訴え、昨年7月21才の若さで死亡。多数が闘病生活を強いられている。同紙編集部は、事故後原発地区に入った労働者は約60万人に上ると述べ、発病の事実に目をつぶることは罪だ、と強調。
<チェルノブイリ事故から3年6ヶ月後>
■ 89/11/04 朝日新聞:モスクワ=共同 3日付コムソリスカヤ・プラウダは、白ロシア共和国の汚染地域に住む613町村の住民を避難させると伝えた。実施時期は明らかにされていないが、3段階にわけて実施され、第1,2段階は今後も住民が住めない261町村、第3段階は352町村となっている。同紙によると、ゴメリ、モギレフ両州では奇形児の出産や子供たちの甲状腺肥大などの病気が増えているという。
<チェルノブイリ事故から3年6ヶ月後>
■ 89/11/09 毎日新聞:モスクワ=時事 8日発売のソ連週刊誌「モスクワ・ニュース」は、チェルノブイリ事故の、消火や放射能除去作業に従事した労働者のうち、250人以上がこれまでに死亡。「チェルノブイリ同盟」の結成を伝える記事とともに報道。
<チェルノブイリ事故から3年6ヶ月後>
■ 89/11/11 朝日新聞:ウィーン=ロイター共同 チェリノブイリ事故除染作業で250人以上が死亡したという報道について、ソ連当局は10日、事故との関連を否定。ソ連保健省生物物理研究所のブルダコフ副所長によると、「除去作業には少なくとも10万人が従事しており3年半の間に250人ほどが死んだ。この数は、正常な成人の死亡率と一致する」
<チェルノブイリ事故から3年7ヶ月後>
■ 89/12/09 毎日新聞:モスクワ=記者 7日のプラウダによると、ウクライナのクラマトルスク市で住宅団地の建設に汚染したコンクリートパネルが用いられ、入居者が白血病で死亡していたことが明らかになった。コルジェ一家がこの団地に転居して数年後、長男が白血病で死亡。もう一人の子供も同じく白血病と診断された。同じアパートに前に入居していた一家も白血病で2人の死者を出しており、当局が調査したところ、子供部屋の壁の放射能汚染が判明。セシウムまたはコバルト汚染と見られるが原因は不明。
<チェルノブイリ事故から3年11ヶ月後>
■ 90/04/12 朝日新聞:ハバナ10日時事 キューバ政府は、チェリノブイリ事故で障害を負った子供たちを病院に受け入れた。ハバナの病院には113人が収容されている。みな放射線被曝で甲状腺、白血球に異常が見られるという。
4年後
なし
5年後
<チェルノブイリ事故から5年11ヶ月後>
■ 91/4/22 朝日:キエフ=渥美記者 ウクライナ共和国のスピジェンコ保健相によると、チェルノブイリ事故の後遺症でこの5年間にウクライナだけで約600人が死亡。大量の放射線を浴びたため免疫機能が衰え、主に心臓欠陥系の病気にかかり死亡。
■ 91/6/12 朝日 チェルノブイリ被曝者の治療にあたってきたソ連人医師ら一行が、広大原医研での短期研修を終え、東京で会見、IAEA報告を厳しく批判。キエフの放射能医学全ソ科学センターのクリメンコ血液学部長らによると、ウクライナ共和国では年平均1人か2人だった子供の甲状腺ガンが、昨年は21人に急増した。
■ 1992/11/1 毎日 ベラルーシの汚染地では4割の子どもに甲状腺肥大などの影響。同国の小児科医らが31日大阪市内で開かれた市民団体との交流会で報告したもの。
■ 1993/4/24 毎日:ジュネーブ・ロイター WHOは23日、チェルノブイリ事故が原因でベラルーシの子どもの甲状腺ガンが24倍に増え、と発表した。
■ 1996/4/1 毎日:ロンドン共同 31日の日曜紙インディペンダント・オン・サンデーは、スコットランドの島で過去1年半の間にガンが他の一般地域の3倍を上回る率で発生、1986年4月のチェルノブイリ事故と関連がありそうだ、と報じた。
■ 1996/4/8 毎日:モスクワ時事 ウクライナ放射線医学研究所のポヤルコフ所長は5日、チェルノブイリ事故の影響でウクライナでこれまでに2500人が死亡したと述べた。
■ 1996/4/22 毎日 チェルノブイリ事故からもうじき10年を迎えるが、旧ソ連政府の事故対策グループが、事故直後に子供60人以上を含む市民900人以上が急性放射線障害になった事実を機密議事録に残していたことが明らかになった。
■ 1996/11/19 毎日 阪大医学部の杉山教授や野村教授のグループは、チェルノブイリ周辺汚染地域に住み、血液検査で「異常なし」とされていた住民の血液から、白血病の目印遺伝子WT-1の増殖を確認し、通常の検査で異常がない住民も白血病に対する高いリスクを負っていることを、遺伝子レベルで裏付けた
6年後以降はほとんど取り上げられてないみたいです。
(取り上げられていないだけで、実際の所はどうか分からない)
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<健康被害の他にはこんなニュースもありました。>
1993/11/29 毎日:モスクワ時事
イズベスチヤ紙は27日、モスクワの犯罪組織が放射能を武器にして殺人を行っている疑いがあると報じた。ある企業の社長のいすに高濃度の放射性物質が長期にわたって仕掛けられ、その社長は死亡した。
1992/10/22 毎日:ウィーン・高畑記者
IAEAは21日、旧ソ連からの放射性物質密輸事件にからんで密売人が放射線障害で発病した事例を公表。スイスのチューリヒで放射性セシウム2グラムを所持していたポーランド移民1人が摘発されたが、胸ポケットに入れて所持していたため重体とのこと。